中学2年生のときの話
地区の選抜練習で担当してくれたコーチから
「うちの練習に参加してみないか」
という話をいただき
次の日すぐに担任の先生に相談しに行きました。
回答は
「今の練習で十分だから参加しなくても良い」
というものでした。
その当時は、
「自分が強くした」「自分が指導した選手」という
手柄を渡したくないのかな、、
と単純に感じただけでしたが
今考えると他にもいろいろな理由が
あるのではないかと考えるようになりました。
①練習量がコントロールできなくなるため
クラブ、部活のコーチは、他の練習を考慮して練習メニューを
組んでいるわけではありません。
(今は量が少ない選手が圧倒的に多い気がしますが)
目標とする試合に向けて適切な量を考えている中で
想定外の量になってしまうことで
ピークが合わなくなったり
ケガにつながってしまったり
そういったことが考えられます。
②技術面で選手を迷わせないため
例を挙げると
いつも指導を受けているメインのコーチは
「腕は大きく振る」
たまに指導を受けるコーチには
「腕をコンパクトに振る」
と一見逆のことを言われてしまうと
選手自身はどちらを信じて練習したらいいのか
混乱してしまいます。
ひとりのコーチを信じていれば
この迷い、混乱は起きにくくなるため
「まずはひとりの言うことだけ聞いてやってみようよ」
という考えになるのも理解できます。
上記2点は自分の中で納得できる考えなのですが
果たして今の時代それが適切なのでしょうか?
私が中学生の頃は、通う予定の学校に
どんな先生がいるか
運要素が大半を占めていました。
現在はSNSなどを使ってどんな人に指導を受けるかを
自分で選ぶことができるようになりました。
陸上競技を引退しても
たくさんの情報の中から
自分の考えをしっかり持って選択していく能力も
生きていく上で必ず必要になってきます。
そんな時代にひとりのコーチが言っていることだけを
信じて進んでいく
これが1番正しいのでしょうか?
私が選手に自分の考えを伝える時は必ず
「これはコーチの考え方で、ひとつの選択肢である」
ということを必ず伝えています。
自信がないから保険をかけているわけではありません。
選手は指導者のものではありません。
足が速くなるための「選択肢のひとつ」として
私を使ってくれればそれで良いのです。
(コーチのおかげと感謝してくれるのは涙が出るほど嬉しいですが)
しかし、目指している山の種類が違う指導者に
同時に教わることは要注意です。
私自身も
今関わらせていただいている選手にさらに活躍してもらうため
充実した競技生活を送ってもらうために
これから信頼できるコーチにどんどん
指導を任せていこうと考えていますが
任せる上で必ず意識していることは
「伝え方、話し方が丁寧であること」
「私と同じ山の頂上を見ていること」
選手を混乱させないようにすることが第一なので
登る山を間違えたり、違う山と行き来してしまうと
足が速くなるという頂上には一向に辿り着きません。
同じ標高の山であっても
登り方は合う合わないがあるので人それぞれです。
急な斜面だけど早くたどり着く道もあれば
ゆるい斜面で長い時間かけたほうが
登りやすい選手もいるはずです。
信頼できるコーチにもお手伝いしていただきながら
関わらせていただいている選手に
いろいろな種類の登り方を提供できるように
これからも活動して参ります。
自分がチームを持つことができる日には
どんなことを考えているだろうか?
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